自作キーボードっておもしろい!

自作したキーボードについて

GECCOH split

GECCOH splitはARCHER splitの反省を活かしつつ、ロウスタッガード(横ずれ)とカラムスタッガード(縦ずれ)の融合を模索した分割キーボードです。

GECCOH split

実際に使用して、これは使いづらいとなったので、いわゆるボツキーボードになります。

ARCHER splitと同様に、設計の目的、使用感などを書いておきます。

 

設計にあたって

Ergomixsta kite-Eを設計した頃から、ロウスタッガード(横ずれ)とカラムスタッガード(縦ずれ)をなんとか融合できなかと考えていました。キーを傾けることである程度それは実現しますが、Alice配列のように内側に傾けた場合は、どうしても背中を丸めるような打鍵姿勢になりがちです。ARCHER splitを設計したあとに試行錯誤した中で、キーを外側に傾けることで自然と手首が外側に向き、背中の丸まりを回避できるのでは無いかと思いつきました。

また、ホームポジション時の指の位置を指の長さに合わせたほうが自然な姿勢になるのではと思い、それも採用し、以下のコンセプトを考えました。

  • キーを外側に傾ける。
  • ホームポジションで指の長さに沿った縦ずれを取り入れ、カラムスタッガードにする。
  • 小指側は下げすぎると個人的には打ちにくいので、逆に上げてみる。
  • 分割型にしてコストを抑えたい。
  • MX互換キースイッチをソケット対応にする。
  • LEDはレイヤーインジケーターと床下照明を採用する。
  • アクリル積層のトップマウントケースに挑戦することを前提に、トッププレートはPCBでする。

配列は以下のようになりました。

GECCOH配列
使用感

ホームポジションに指を置いてみると、自然な形で置けています。

GECCOHホームポジション

これは!いいんじゃないの、と思ったのですが、ここに大きな落とし穴がありました。

 

キーが遠い

ホームポジションで中指、薬指、小指が伸びてしまっているため、上の行のキーを打つためには指ではなく手を動かす必要があります。特に下図の赤丸で囲った中指で打つキーは非常に打ちにくいです。

問題点など

また、人差し指で打つ黄色丸のキーも非常に遠く感じ、その隣の内側キーとの誤打が頻発しました。

 

内側の列が下がりすぎている

図の青矢印で示した2つのキーでは、矢印の下側のキーを打ったつもりが上のキーを打っていることが多くありました。これは慣れの問題もあると思いますが、内側のキーが下がりすぎていて、脳内のイメージとのギャップが生じているのだと思います。慣れてくれば解消する可能性がありますが、先に述べた理由で慣れるまで使用できませんでした。

 

ポジティブなポイント

緑色丸の小指で打鍵するキーが思ってた以上に打ちやすく感じました。左手側のESC、Qはあまり使いませんので評価できませんが、右手側は使用頻度が高く、打ちやすさが実感できました。

また、打鍵姿勢は想定していたように背中が丸まらないです。

 

以上の使用感を生かして改善するとなると、カラムスタッガードのずれを小さくする必要があります。そうした場合、図の黄色丸のキーをより内側に配置する必要があり、ますます遠くなってしまいます。

ということで、GECCOH splitはボツになりました。この時点で使いにくいことがわかったためアクリル積層ケースについては試していません。これは別の機会に挑戦したいと思います。

ちなみにGECCOHは[外向」から名付けました。